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クロムボディと特別な仕掛け

大胆な発想を持ちながらも、ブランドのDNAに対してはリスペクトを持ち再解釈する、空山基の姿勢が最も現れているのは、ロジェ・デュブイのアイコンである“スターシグネチャー”のデザインだ。空山基は故ロジェ・デュブイへのオマージュとして、オリジナルの形状を残しながらも、スターの形状はそのままに、オリジナルのスターとは異なる形状に改めた。

ロジェデュブイコピーエクスカリバー スパイダー オートマティック スケルトン ジャパンリミテッドRDDBEX0946

◆ケース
ケースサイズ:45 mm
ケース材質:チタニウム
防水性:5気圧(50m)防水

◆ストラップ
ブラックラバーベース、ホワイトラバーテックのインレイ、ブラックステッチ

◆キャリバー
自動巻きキャリバー RD820SQ
パワーリザーブ:60時間

従来のスターシグネチャーには平面が多く用いられ、面と面のコントラストを際立たせるために異なる仕上げ同士を組み合わせている。しかし本作のスターシグネチャーは、セクシーロボットの妖艶なボディように曲線的で丸みがあり、全体的に鏡面仕上げになっている。

またケースとブレスレットも全面がポリッシュ仕上げとなっており、これはブランドとして初の試みだ。すべてのパーツを鏡面で仕上げることで、面同士のコントラストではなく、非常に滑らかで有機的な印象を持たせるのである。

そして、ほとんどの面を鏡面で仕上げた本作の主役は、オープンワークを施した文字盤の左上に配されるマイクロローターだ。空山基は、ガーターベルトの二重になったところの視覚効果からインスピレーションを得て、セクシーロボットで作り出すような光と動きの“戯れ”を本作にもたらすべく、このマイクロローターを再構築して「モアレ効果」を生み出すということを考えた。

モアレ効果とは、規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせた時に、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のことである。固定されたフリンジサファイアクリスタルと回転する金属パーツによって、モアレ効果が生まれる。ローターの可動部分に直接取り付けられたこのパーツにはギヨシェ装飾が放射状に施されており、光を反射する“山型”の規則的なパターンを彫ることで、この効果を生み出した。

その上には固定されたサファイアクリスタルのプレートが置かれ、ブラックの規則的なラインが同じく放射状に引かれている。それぞれのラインの間に最適なスペースを見つけ、理想的な光学効果を得るために1年以上を費やし、数えきれないほどの試行錯誤が行われた。手首の動きに合わせてローターが回転することで生まれるモアレ効果は、まるで催眠術をかけるかのようだ。